2023 年 59 巻 8 号 p. 265-271
今回,開発した粘着材は,車載製品への適用で課題であった粘着力の耐久性低下の改善を目的に,新たな粘着機構として水素結合の発現を狙ったポリチオール化合物の導入に着眼した。ポリチオール化合物は,非共有電子対を有する高活性のS(硫黄)を有するため,被着体の官能基と水素結合を形成することを狙い,材料メーカーと共同で材料設計を行った。その結果,車載環境(エンジンルーム:100℃~150℃,1000時間) にも適用可能な粘着耐久特性が実現でき,併せて,放射光を用いた X線吸収微細構造分析(XAFS)にて,水素結合の発現及び粘着力との因果関係を明らかにしたので報告する。