抄録
老夫婦のための終の棲家である。自宅で不自由なく暮らし続けたいという希望を実現するために、歳を重ねることが苦にならない居住環境を目指した。高齢者を対象に、脳科学や身体運動など機能評価と心理評価の両面から研究を進めている。
研究で得られた知見を基礎データとしながら、下記の4つの指針を提示し、老夫婦の個別解に対応させデザインした。
(1)操光と照明環境の調和
(2)インテリアのゾーン化
(3)機能のユーモア化
(4)素材と色彩による演出
「アオイハナ」は、機能と性能と共に感性を刺激する仕掛けを施せないだろうかという視点で設計した。高齢者が歳を重ねても住み続けられる住宅の実現と普及を目指している。