2017 年 41 巻 1 号 p. 13-22
不注意はプランニングの困難やワーキングメモリ容量の低さと強く関連する。本研究では成人を対象に、不注意傾向の強さと問題解決課題遂行時の行動成績と前頭前皮質活動との関連を検討した。問題解決課題にはマスターマインドを用い、課題遂行時の脳活動を近赤外線スペクトロスコピーによって計測した。最も難度が高い4 ピン条件にて、不注意低群よりも高群において達成時間の延長、正答率の低下がみられた。 低群では課題条件の難度の変化に関わらず、すべての領域において脳活動が同水準であったことから、前頭—頭頂ネットワーク全体が問題解決に関わる可能性が示唆された。高群では、4 ピン条件においてすべての領域においてoxy-Hb濃度変化量が減少した。これらの結果から、不注意傾向の高さがワーキングメモリにおける情報処理過程及び、特にそれに関わる内側前頭前皮質の活動に影響を与えていることが推測された。