2019 年 43 巻 1 号 p. 99-116
知的障害児の移動指導プログラムを検討するための調査として、A知的障害特別支援学校に在籍する児童生徒の移動に関するニーズに関する質問紙調査をした。その結果、「小学部から高等部段階まで放課後に自宅外で過ごすことが多いこと」、「保護者が高等部段階まで子どもの生活の広がりや交通機関の利用の拡大に合わせて指導を担う一方で、保護者は指導を受けられるサービスについては知らないということ」、「混雑した場所における移動スキルやトラブルへの対応力等の大都市圏中心市に特徴的な課題が日常的に生じていること」、「スピードを出している自転車や歩行者への注意力などの歩道におけるニーズが高いこと」、「困った時の対応力のニーズが高いこと」等が明らかになった。95%以上の保護者が子どもが移動指導を受ける機会を望んでいた。