1994 年 43 巻 9 号 p. 704-710
硫酸ドデシル=ナトリウム (SDS) が共存する場合の吸着膜およびミセル中における酸性染料, オレンジIIおよびメタニルイエローの表面密度が理論の上から見積もられ, 酸性染料に対するSDSの均染作用との関連が検討された。染料はSDSの存在により吸着膜およびミセル中から追い出され, 界面での染料の濃度は非常に小さくなることがわかった。その程度はオレンジII混合系における方が, メタニルイエロー混合系におけるより強かった。このことは染料の界面活性の違いによって議論された。この実験結果は染色過程におけるアニオン界面活性剤の均染作用の一因を説明していると思われる。