障害科学研究
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重度聴覚障害幼児における家庭での絵本読み活動の特徴
—絵本の内容に対する興味の違いによる検討—
三枝 里江鄭 仁豪
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2021 年 45 巻 1 号 p. 161-171

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抄録

 本研究は、聴覚障害幼児が日常的に読んでいる絵本の内容を分類し、その違いから、家庭での絵本読み活動、絵本を読ませる目的、絵本を読ませる際の工夫点について、健聴幼児との比較を通して検討した。質問紙調査の結果、聴覚障害幼児の保護者76名、健聴幼児の保護者91名から回答が得られた。対象幼児は「全体群」と「部分群」に分けられた。家庭での絵本読み活動においては、聴覚障害幼児は、「全体群」、つまり興味の発達が進み、本全体として物語を読んでいる群では、聴覚障害児が物語を読むことと、家庭での読み聞かせとの間には関連性が高いことが考えられた。絵本を読ませる目的においては、「全体群」も「部分群」も、年齢の進行に伴い、基本的には『興味・関心』が中心で、それに『知識・理解』が加わることが考えられた。絵本を読ませる際の工夫点では、「絵本の読み聞かせ方」の小カテゴリーにある「やり取りや確認をしながら読む」は、聴覚障害児も健聴幼児も、「全体群」では、すべての年齢に共通して挙げられており、今後は読み聞かせの方の検討の必要性が示唆された。

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