2021 年 45 巻 1 号 p. 53-64
本研究では、ベトナムホーチミン市おける就学前の聴覚障害児に対する早期介入の現状を把握し、今後の聴覚障害児に対する早期介入の方向性を検討することを目的とした。ホーチミン市で聴覚障害を対象として教育を行っている特別支援学校と関連機関を対象とした質問紙調査を行い、8カ所より回答を得た。聴覚障害教育を行う上での設備や機器の不足や教員の専門性の不十分であることが明らかとなった。また、経済的な困難などの様々な理由から、保護者と家庭の協力が得られにくいことも、早期介入を担当する教員より指摘された。今後、コアとなる機関を中心とした連携体制を再構築することが重要であると考えられる。