障害科学研究
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知的障害のある子どもの余暇活動に関する調査研究
—放課後の過ごし方についての実態と保護者の評価—
松下 浩之福本 稜佑
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2022 年 46 巻 1 号 p. 149-162

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抄録

余暇の過ごし方を充実させることは、障害のある人の生活の質を向上させるために必要な支援の一つである。知的障害のある子どもの余暇活動についての調査研究はこれまでにいくつかなされているが、その多くは休日や長期休業中の余暇に注目している。本研究では、学齢児童の平日の放課後の過ごし方について、支援資源や保護者のニーズなどについて調査した。そこで、知的障害の有無や学年という点から実施している活動を比較することで、知的障害のある子どもの好みの活動傾向を把握し、活動レパートリーを拡大するための支援の要点を整理することを目的とした。その結果、知的障害の有無にかかわらず、子どもたちは一人で、あるいは家族と自宅内で過ごすことが多かったが、知的障害のある子どもは特に活動レパートリーが乏しく、その多くがテレビや動画鑑賞などの受動的な活動であった。今後は、家族以外の資源を活用した放課後支援が必要であること、豊富な余暇活動機会の保障と、余暇活動を指導する場の設定が重要であると考えられた。

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