障害科学研究
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食物アレルギー児の母親における育児ストレスとインターネット上の食物アレルギー情報に対する満足度に関する研究
國武 加奈林 大輔竹田 一則
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2022 年 46 巻 1 号 p. 41-49

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抄録

食物アレルギー児の母親における育児ストレスと食物アレルギー情報の利用状況を調査し、インターネット上の食物アレルギー情報を活用した育児支援の方法を検討した。X病院に来院した0~12歳の食物アレルギー患者の母親に質問紙を配布し、77名から回答を得た。統計分析には一元配置分散分析とSpearmanの相関分析を用いた。0 ~3 歳の食物アレルギー児をもつ母親の育児ストレス得点において、44.8%の母親が80パーセンタイル以上の高スコアを示し、育児ストレスが高いことが示唆された。また、インターネット上の食物アレルギー情報の満足度と育児ストレスにおいて有意な負の相関が見られ、食物アレルギー情報の満足度が高いほど育児ストレスが低いことが明らかになった。インターネット上の食物アレルギー情報を充実させることによって、食物アレルギー児の母親の満足度を増加させ、育児ストレスを軽減することができる可能性があると考えられる。

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