障害科学研究
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知的障害者の就労支援における事業所と特別支援学校の 課題認識に関する調査研究
小澤 良子一木 薫中村 貴志
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2022 年 46 巻 1 号 p. 91-100

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抄録

本研究では事業所と特別支援学校(知的障害)を対象として、知的障害者が一般就労で求められる能力や就労支援の改善点について質問紙調査を行い、就労支援課題の認識の共通点や相違点を検討した。その結果、双方が日常生活全般を重視し、人間関係・コミュニケーションは学校が高い能力を求めていた。就労支援課題について事業所と学校の回答の上位項目を比較すると、事業所は障害特性や本人への直接的な支援に関わる情報を求めたことに対し、特別支援学校の教師は就労支援制度の理解や情報共有、保護者支援等の間接的な支援に改善を求めていた。また、双方の約半数の回答者が本人の人間関係・コミュニケーション、就労後の相談機関に関する情報共有について改善を求めた一方で、個別移行支援計画の活用について改善の必要性が低いと認識していた。以上の結果を踏まえると、改善が必要と認識されている項目の現状と改善策について、さらに検討する必要がある。

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