2023 年 47 巻 1 号 p. 13-24
本研究では過去30年間に蓄積されてきた不登校研究から主要な研究テーマの抽出や年代ごとの傾向分析を行い、不登校研究における年代別の特徴や扱われたテーマの変遷を整理し、今後の不登校研究について展望することを目的とした。不登校に関する967本の文献の題目をKH Coderを用いてテキストマイニングにより分析した。共起ネットワーク分析により過去の不登校研究に関する文献が8つのカテゴリーに分類され、対応分析により年代ごとの特徴語が抽出された。結果から、不登校研究における主要な研究テーマが、不登校を治療・予防するという視点から、不登校生に対する学校外機関や心理面へのアプローチの充実へと変遷したと考えられた。今後は発達障害のある不登校生や大学生等の児童生徒以外の不登校に対する関心の高まりを踏まえ、不登校研究がその対象を広げ、対象者の状態やニーズに応じた個別具体的な支援が提供されることが期待される。