2016 年 17 巻 1 号 p. 19-23
本研究では,「香り文化」を,「主に快適性の増進を目的とした,室内における香りの活用全般に関する文化」と定義し,明治期から2000年までの経済状況や生活環境の変化のなかで「香り文化」がたどった変遷を探り,日本の社会におけるアロマテラピーの受容と展開にどのような背景があったのかを明らかにした。この第3報では,1975年から2000年の新聞(経済紙)記事を対象に,掲載された「香り文化」関連ワードの頻出状況の把握とトレンドの分析を行い,対象時期の社会における「香り文化」に対する意識の変遷について考察した。