アロマテラピー学雑誌
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原著論文
アロマテラピー検定精油の揮発特性マップ創生の試み
富樫 盛典 張 紅葉三宅 亮
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2025 年 26 巻 1 号 p. 10-23

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抄録

アロマテラピー検定精油の香りテストの対象である17種類の精油の揮発特性の計測を試みた。対象精油は,ジュニパーベリー,フランキンセンス,ローズマリー,ユーカリ,レモン,スイートオレンジ,グレープフルーツ,ティートリー,スイートマジョラム,ローマンカモミール,ゼラニウム,ベルガモット,ラベンダー,レモングラス,クラリセージ,ペパーミント,およびイランイランである。計測に先立ち,精油の構成成分と蒸気圧を調査して一覧表にまとめた。精油の揮発特性の計測は,著者らの開発システムで3600秒間を各5回実施した。計測結果から,初期香りの到達量First,遅れてくる香りの揮発特性Delay,および香りの持続性Lastingの3つの指標を用いた2つのマップを創生し,以下の結論が得られた。FirstDelayマップでは,精油の蒸気圧の高低がマップの上下に対応する。また,遅れてくる香りの蒸気圧が低い,あるいは量が多いほど,マップの右方の分布となる。最終的に,FirstDelayFirst–Lastingの2つのマップにより,17種類の精油揮発特性を推測することができることを確認した。

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