アロマテラピー検定精油の香りテストの対象である17種類の精油の揮発特性の計測を試みた。対象精油は,ジュニパーベリー,フランキンセンス,ローズマリー,ユーカリ,レモン,スイートオレンジ,グレープフルーツ,ティートリー,スイートマジョラム,ローマンカモミール,ゼラニウム,ベルガモット,ラベンダー,レモングラス,クラリセージ,ペパーミント,およびイランイランである。計測に先立ち,精油の構成成分と蒸気圧を調査して一覧表にまとめた。精油の揮発特性の計測は,著者らの開発システムで3600秒間を各5回実施した。計測結果から,初期香りの到達量First,遅れてくる香りの揮発特性Delay,および香りの持続性Lastingの3つの指標を用いた2つのマップを創生し,以下の結論が得られた。First–Delayマップでは,精油の蒸気圧の高低がマップの上下に対応する。また,遅れてくる香りの蒸気圧が低い,あるいは量が多いほど,マップの右方の分布となる。最終的に,First–DelayとFirst–Lastingの2つのマップにより,17種類の精油揮発特性を推測することができることを確認した。