抄録
【要旨:造形の源泉としての人口問題を考える】
民族造形は人間の集団の力によって支えられている。その基礎となる人口動態は各民族の多様な価値観の表現の根源であり、マクロ的視点から近未来の人類社会の状況を知るための指標である。このため、世界人口の推移はもっぱら食料需給や貧困拡大との関連性で把握されてきた。諸民族の造形力がどのように変容していくのかを予測する時、人口問題はきわめて重要なキーワードであり、地球規模の環境問題とも深く結びついている。一方、わが国の人口問題は少子・高齢化と労働力の減少、医療費の増大などの社会問題として意識される。その方向性の中から新たな造形力の出現の可能性を探ることは、次世代から託された私たちの喫緊の課題である。