抄録
<研究ノート>
ピーパパパードンドン、昼夜を問わず結婚行列の太鼓や金管楽器のけたたましい演奏が山々に響き渡る。ここは東ネパール・コシ県ボジプール郡。標高600mから2300mの大丘陵地帯。車の通るダランの町まで出るには、文字通り山越え谷越え2日間まるまる歩かねばならない。
私が参加した結婚行列は、私の指導する柑橘苗木屋のある村の村長さんの長男の結婚式のもの。花婿19歳、花嫁16歳。まず花婿の村の男衆70人くらいと花婿が、花嫁の家にやってきていた。ネパールでは同じカースト(階級)間で、そして親によって縁談は決められる。その花嫁の家に2泊して、夜もいろいろな儀式が華やかに執り行われ、いよいよ今日は花嫁を連れての行進だ。
朝10時頃、チョータラという大きな樹の下で待っているとやってきた。ドンドンパーパパー、金の冠と深紅の衣装の花嫁は純白の馬に乗せられて、まだ幼さの残る顔に不安と緊張の表情いっぱいにやってくる。先頭の演奏するグループは私を日本人と知ると、どうだこれを一つ吹いてみろ、鳴らしてみろと大騒ぎ。そして行進は標高1500mから1000mの谷へ、さらに1900mの丘陵まで急な登りだ。