抄録
<要旨>
世界8位の森林大国インドネシアは長年にわたる無秩序な開発、違法な伐採、農地への転用、山火事の頻発等により森林環境資源が危機的な様相を深めており、持続可能な森林経営・管理への道筋の確立が急務である。本稿は視察対象としてバリ島山間部のプダワ村を選び、住民の自治組織が森林管理への潜在的意欲を活性化していることに注目した。そのうえで、伐採地での再植林、ヒンドゥーの神々が棲む水源林の保護、山火事防止などを推進する実践活動の模様を報告し、それがインドネシアの森林行政に新たな展望を開く可能性があることを指摘する。また、大学教育における社会教育プログラムとの結合が、山岳少数民族Aga の地域伝統文化を再興し、地域森林生態系の破壊進行を防止する効果をもたらす過程を考察する。