日本原子力学会 年会・大会予稿集
2004年春の年会
セッションID: F16
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被ばく低減と防護の最適化
放射線防護の最適化(2)
―現場適用における論点―
*飯本 武志杉浦 紳之副島 邦洋木元 崇宏實重 宏明中村 又司湊 博一鍋本 豊伸
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抄録
放射線防護分野を含む様々な分野において「費用便益分析」や「リスク・ベネフィット分析」が使用されてきたが、このような分析による単独の評価では、あまりにも理論に頼りすぎる感があり、実際の現場への適用は難しい。実際の現場では、最適化の適用、運用、判断に苦慮しつつ、結果的に、従事者線量実績に基づき、更なる低減化方策を模索しているのが現状である。最新の情報によれば、2005年予定のICRP新基本勧告の原案では、放射線防護の体系は「正当化」「基準値」「最適化」の3本柱になるとのことである。将来の最適化では、数値をベースとした議論に焦点は当てられず、例えば、意思決定の過程におけるステークホルダーの関与をとり入れるなど、科学、社会、文化、経済など多方面の検討を経て、個別(地域、国、地方、事業所等々)の単位で、最適化のゴールを模索する手続きが重要となる。
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© 2004 一般社団法人 日本原子力学会
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