抄録
中学校における教育内容を定める『学習指導要領』は、平成20年に改訂され、平成24年度から全面実施されることになっている。今回の改訂の中において、例えば、理科では、放射線の性質を扱うことになるなど、原子力に関する内容の拡充が図られている。また、持続可能な社会の形成に向けた教育という方針が教科横断的に導入され、エネルギーや環境が重要なテーマの一つとなっている。その一方で、原子力に関する科学的な知識やそれに関連した社会的な状況を学習しうるプログラムが提供されているとは言えない。このような状況を踏まえ、原子力発電の廃棄物処理問題を事例として、中学校理科カリキュラムと関連付けたプログラムとe-learningを活用したプログラムを開発し、それを中学校の授業で実践し、生徒の認知的な側面や情意的な側面での効果を評価した。