抄録
2010年現在、国内では軽水炉が54基稼働中であり、そのうちの30基を沸騰水型軽水炉(Boiling Water Reactor;BWR)が占めている。BWRでは軽水が減速材と冷却材を兼ねるため、炉材鉄酸化物を主体とするクラッド由来の遷移金属などの不純物が混入する。これらの溶解性不純物を除去し炉水水質を高純度に維持するため、軽水炉には原子炉水浄化系が併設されている。現在、原子炉水浄化系で用いられているイオン交換樹脂は耐熱性の低い有機体で作られているため、流入する炉水温度を280℃から60℃程度に下げる操作を行っている。これは熱効率面および緊急時の安全面に問題があり、この解決策として耐熱性吸着材を用いることが考えられている。本研究では耐熱性に優れたイオン交換体として無機イオン交換体を選定し、吸着挙動の把握及び基本性能試験の評価を行うことで、浄化系への適用性を検討する。