抄録
糖尿病のコントロールは、一般に無症状なことを理解し生活習慣を是正することが要求される。それは、決して容易なことではなく、かなり知識、検査地の意味を理解している人でも困難であり、ましてや、高齢化が進み、なかなか新しい概念の導入が困難な人に術語を駆使して検査値と生活習慣の関連の説明を試みても、効果はなかなか望めないのが現実である。毎回、診察の都度、「ヘモグロビンA1C」を繰り返し話している患者に対して、アンケート調査をし、その説明を求めると、意味と正常値をともに言えた人は約25%であった成績もそれを表している。それに対して、我々は、グラフでデータの流れを示すことにしている。「これがここになればよい」といったグラフをみての説明である。良し悪しを眼で理解してもらうのである。血糖コントロールを反映する検査法は、いくつかの変遷を経て、現在、HbA1cとグリコアルブミンとに大別される。また、前者は、カラム法と免疫法とがある。免疫法は最も長期期間を反映し2_-_3ヶ月、次いで、カラム法1_-_2ヶ月、そして、グリコアルブミンは、2週から4週間の血糖値を反映するとされる。これらを用いて患者指導に当たったとき、まじかな生活状態と血糖コントロールの状況との間に時差を想定し説明してゆくのは、かなり混乱を招く。検査値は、生活習慣、薬剤処方の変化により即して変わりうることが大切である。長きにわたる指導において正しい連携が積み重ねられると、確実に効果を示し始める。しかし、アルブミンのターンノーバーが変わった病態では、その値を多少影響を受けるものとして、とらえる必要がある。たとえば、ネフローゼ症候群では、より低値をとる。合併症との関係をみた成績では、HbA1cとほぼ同等であった。従って、日常診療で、より厳密な管理が必要な人に対する指導では、グリコアルブミンが適切であろう。HbA1cからの切り替えにおいて、換算値を用いるかあるいは、独自の値にするかのジレンマがあるが、長期的には、グリコアルブミンとしての値を使ってゆくことが望ましいと思われる。