糖尿病学の進歩プログラム・講演要旨
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セッションID: CL-4
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レクチャー:糖尿病療養指導に必要な知識(1)
食事療法~食事調査の重要性とオーダーメイドの食事計画~
*石田 千香子
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抄録
糖尿病患者にとって食事療法は生涯にわたって実施すべき治療法である。
しかし個々の患者の社会的属性は多様で、特に食習慣や食嗜好は長年にわたり築かれたものであるためその是正は容易ではない。
その上で患者が食事療法の意義を正しく理解し、積極的に実践できるよう援助するには、食生活に関するあらゆる情報を把握するために食事調査を実施し、問題点を明確化することが必要である。
そして得られた情報をもとに、オーダーメイドの食事計画を立案することがQOLを失わずにコンプライアンスを向上させる鍵となる。
(食事調査の方法)食事調査の方法には聞き取り法、食事記録法、食物摂取調査(アンケート方式)法などがあるが、その時々に応じて臨機応変に使い分けることが必要である。
初回栄養相談時にはアンケートの情報を元に、より細部を面接して聞き取る方法がよく行われる。質問項目としては、職業(身体活動量・勤務、通勤時間)、家族構成・調理担当者、栄養指導歴・習得能力、1日のタイムスケジュール、食事時間、食事回数・速度、食嗜好、具体的な食事内容・量・頻度、嗜好飲料、間食、外食、民間療法などについて行う。
さらに初回栄養相談時の対応は鮮明に印象付けられることが多く、対応によっては信頼関係を構築していく上での障害になることも少なくないため決して批判することなく傾聴し、患者の思いを受容、共感することも重要である。
(食事療法に必要な知識の提供)食事調査で得られた情報をふまえ、指示された食事を実際に行うために必要な知識を具体的に指導する。またいつでも質問できる雰囲気づくりを心がけ、患者が知りたい情報をタイムリーに提供する。
(問題点の明確化と具体的な目標の設定)患者自身で何が問題となっているのか気づくよう、効果的な質問を投げかけながら整理する。また問題点を解決する上で障害となっているもの、行動変容を起こしたときのメリット、デメリットなども考慮し、実践可能で具体的な目標を患者自身が決定できるよう支援する。
(目標に対する是正効果を評価)目標行動が実践され、生化学データー・体重などが改善された場合は手放しで賞賛する。目標行動を実践したにもかかわらず、生化学データー等が変化しなくても、その行動変容を認める。目標行動が実践されなかった場合には、何が障害となったか、どのような状況時に遵守困難であったかをともに振り返り、再度目標を検討する。
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© 2005 日本糖尿病学会
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