2015 年 39 巻 3 号 p. 739-741
今回われわれは,高齢者に対する鏡視下腱板修復術(ARCR)の成績を比較検討したので報告する.2008年9月から2013年4月までに中断裂以下の腱板断裂に対しARCRを施行し術後1年以上経過観察が可能であった高齢者34例34肩を対象とした.うち前期高齢者(平均年齢69.2歳)が23肩,後期高齢者(平均年齢78.5歳)が11肩であった.検討項目は術前および術後1年でのJOAスコアと,術後1年でのMRIでの再断裂率とした.JOAスコアは前期高齢者が71.2点から95.1点へ,後期高齢者が64.7点から91.9点へそれぞれ有意に改善した.再断裂は前期高齢者で0/23肩,後期高齢者で3/11肩であった.再断裂症例は治癒症例と比較して術後JOAに有意差はなかった.高齢者の中断裂以下の腱板断裂に対するARCRは,妥当であると考えた.