2012 年 37 巻 p. 39-56
我が国は現在、国際的動向を受け、社会的養護を要する子どものケアについて、家庭養護・家庭的養護推進の方針を明確化している。筆者は、そのような流れの中、里親委託の推進や里親支援の実践・研究に、子ども家庭福祉とソーシャルワークの立場から携わっている。ただし今回は研究者である前に、「里親家庭の実子」として子どもたちと育ちあった体験をもつ者として見解を述べる機会をいただいた。
そもそも児童養護施設職員の実子として、入所児と子ども時代をともにした幼少期。 両親が施設を退職してグループホームを設立するとともに里親となり、以後多くの子どもを受託した暮らしに参加した十代以降の日々。施設ケアと里親養育の質的な違いを感じながら養育に参加した日々。それらを思い起こしている。そこで本稿では、いくつかのエピソードを通して養育の中で生まれる関係性にふれ、家族・家庭とは何か、多彩な家族を包含する社会の諸課題について述べる。