抄録
日本では1995年に発生した阪神・淡路大震災以降、多くの自然災害が発生している。 だが、これらの自然災害のうち、被災者が全国的に避難したケースはそれほど多くはなく、阪神・淡路大震災と三宅島噴火災害(2000年)、そして東日本大震災(2011年)の3例だけである。災害研究では、個人の生活再建には「医(心身の健康)、職(仕事)、習(子どもの教育)、住(住まい)」の支援が重要であるとされる。東日本大震災の広域避難者の多くは原子力災害による避難者であると指摘されており、地域によっては将来的に戻る時期が見通せない地域もあるため、避難先での支援と継続的な支援がより必要となると考える。