2021 年 75 巻 1 号 p. 57-72
本州中央山塊は東日本および西日本島弧系の会合部に形成された海抜3,000mに達する連結山群であり,島弧の会合様式を解明するうえで重要な手がかりになる.アーチテクトニクスの視点に立って構造解析を行なった結果.1)両島弧系はそれぞれ7Ma以降の非対称アーチングによって形成され,2)本州中央部でほぼ直角に交差していて,そこでは,3)西日本および東日本島弧系の浅・深2層の傾斜プルームが斜めに湧昇したために,4)直交・二重の非対称アーチングによって本州中央山塊が形成されたことが明らかになった.