抄録
目的: 岡山県内のエイズ拠点病院である川崎医科大学附属病院におけるHIV感染症診療の現状について報告する.
対象: 2001年1月から2005年12月までの5年間に, 当院で施行した自発的HIV抗体検査の受検者, 及び経験したHIV感染者/AIDS患者21例を対象.
結果: 患者の初診時平均年齢は32.7歳で, 男性20例, 女性1例であった. その中でHIV感染者は11例で, 30.9歳であった. またAIDS患者は10例で, 34.7歳とやや平均年齢が高かった. 患者の診断時CD4陽性細胞数平均値は192/μlであり, 当院で診断したAIDS患者に限ると34/μlと著明に低下していた. HIV感染経路は全員が非血液製剤で, 同性間接触が13例, 異性間接触が3例, その他不詳が5例あった. 岡山県外からの転入紹介患者は11名あり, 大阪府が5例と最も多く, 続いて東京都が4例であった. また自発的HIV抗体検査受検者数は年々増加しているが, 陽性者は認められなかった.
考察: 当院の患者の特徴として, 岡山県内で感染したと考えられる症例は少なく, 大都市での感染者が岡山に転勤あるいは帰郷に伴い紹介受診する症例が多い. しかし今後岡山県内での感染者数の増加を予測しておく必要があり, また初診時AIDS発病例も少なくないことから, HIV抗体検査をより普及させることが重要であると考えられる.