日本建築学会論文報告集
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ストーリーシミュレーションに関する研究 (その 2) : ケーススタディ・地震時の下町住宅地の状況像とその分析
高野 公男
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1979 年 277 巻 p. 107-116

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抄録
以上このシミュレーションによって充分とは言えないまでも, 市街地の地震時の状況像を得ることが出来た。このスタディによる地区防災計画上の総括的認識は以下のものである。地区にはそれぞれ「安全のストック」があり, この安全のストックをどう育て活かすかが計画上の要点である。安全のストックは, 物的側面だけでなく, 人的側面, 社会的側面も重視さるべき要件であり, 地区防災計画はこれらに着目してすすめれねばならない。この地区は, 他地区に較べて比較的条件に恵まれている。が, このような地区特性をより具体的に認識し, 災害像や災害対応像を明らかにした上で, この特性を活用した。より積極的, 即地的, 総合的な地区防災計画の立案が望まれる。安全のストッフや計画の方法については, 更に研究する余地があるが, これらはこのシミュレーションで発見, 検討された内容を進展させる中で, 明確化していくことが出来る。
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© 1979 一般社団法人日本建築学会
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