日本建築学会論文報告集
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研究行為において利用される図書資料の種類と量 : 大学図書館の建築計画に関する研究・2
栗原 嘉一郎冨江 伸治植松 貞夫門谷 真一郎木野 修造戸村 雅昭
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1980 年 289 巻 p. 131-137

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抄録
本論文では, 研究者が特定課題の研究についてそれを一つの学術論文としてまとめる過程で利用する図書資料すなわち単行書・雑誌について, その国内外別の量を, 引用・参考文献調査を通じて全学問分野にわたって明らかにした。もとより引用・参考文献として示されたものには, 特定課題の研究を進める間にその目的をもって見られたが, 結果的に記載されるほど直接的関連のなかったものは除かれている場合が多いと考えられるし, その記述の精粗の程度には学問分野による慣習的な差違もあるものと思われるので, 実際の利用文献量は本論文に示した値よりかなり多い分野もあるものと考えられる。その意味で, 本論文に示した値は研究者の図書資料利用において不可欠なものであった文献の最低量とみるのが妥当であろう。この点で問題を残してはいるが, 文献の単行書・雑誌別ならびに国内外別構成比についての今回の結果はほぼ学問分野それぞれにおける依存度合を示しているとみてよかろうし, I-2研究方法の項に述べたごとく, 直接に利用調査をすることが困難な状況を考えるとき, 一定の配慮下に本論文に示した結果を学術図書館の規模計画に際しての基礎的資料として利用することは有効であろうと考える。本研究は昭和52年度文部省科学研究費補助金に依ったものである。
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© 1980 一般社団法人日本建築学会
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