日本建築学会論文報告集
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5015 古代における門の一性格(意匠・歴史)
井上 充夫
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1958 年 60.2 巻 p. 581-584

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抄録

飛鳥・奈良時代を中心とする古代の門に関する記載をみると、それらがしばしば、単なる通路空間として以外の用途に供せられていることを知る。たとえば宮殿の門が行事の際の天皇の座所となり、寺院・神社の門が礼拝の場所として用いられる等である。このような特殊性は、垣や廻廊で囲まれた内部の空間と、外部の空間とが質的に相異することからくるのであつて、これが両者の接触点をなす門に、特殊な機能を要求すると同時に、造形的にも後世の門とやや違つた特色を賦与したことを論ずる。

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© 1958 一般社団法人日本建築学会
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