日本建築学会論文報告集
Online ISSN : 2433-0027
Print ISSN : 0387-1185
ISSN-L : 0387-1185
2111 関東ロームの強度に関する研究 : 主として原位置試験について(構造)
正木 正広
著者情報
ジャーナル フリー

1959 年 63.1 巻 p. 677-680

詳細
抄録

吾々の扱う建築敷地は、東京都内とその周辺の関東ローム台地である事が多い。従つて、経済的且つ安全な基礎設計を行うためには、関東ロームの明確な許容地耐力度の把握が要求されている。周知の如く建築基礎構造設計規準の許容地耐力度表によれば、関東ロームの長期許容地耐力度は、硬質なもので30t/m^2、軟質なもので15t/m^2と定められているが、関東ロームの強度及び沈下などに関する工学的な性状は、必ずしも明らかにされているとは云えない。従来吾々は、原位置試験或るいは土質試験などの結果より普通採られる方法で許容地耐力度を定めて来た。しかしそれが、剪断破壊または沈下などに対して、如何程の安全率を持つものか全く知り得ない。吾々は、この間の不明を多少とも明かにする様、現在一連の実験研究を進めようとしている。本報告は、その下準備とも云うべきもので、諸種の原位置試験から、従来の所謂許容地耐力を中心に比較検討し、併せてそれらの相互関係をも求めようとしたものである。

著者関連情報
© 1959 一般社団法人日本建築学会
前の記事 次の記事
feedback
Top