日本建築学会論文報告集
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1001 木材の表面仕上げについて : 塗装における目止剤の使用条件(材料・施工)
野田 茂
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1960 年 66.1 巻 p. 1-4

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抄録
木材塗装の前処理としての目止め工程について、目止剤の使用条件が木材導管孔中に充填され乾燥する状態と表面の平滑性に及ぼす影響を検討するために粘度条件の異る目止剤を用いて下塗りの有無の二種類のシオジ材に施工したものについて実験を行つたが、その結果を要約すれば次のように判定することが出来ると思われる。1.乾燥時間の問題については油性目止剤が最も早く乾燥し、下塗りを施した方が早く乾燥して時間も安定している上に単位面積当りの溶剤吸収量も少く、表面に残る顔料は小で鮮明な仕上げが期待出来る。2.充填深きでは下塗りをした方が深く入り、水性膠目止剤は粘度条件による変化が大である。3.表面粗さについては目止めを実施することによつて表面状態が著しく改善されるが、概して下塗りの有無は影響が少く、油性目止剤より水性目止剤の方が良い結果を示した。粘度条件については高粘度の場合程平滑性を向上させることが出来る。終りに本実験を行うに当つて江沢英二君の協力を得たことを附記して謝意を表する。
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© 1960 一般社団法人日本建築学会
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