抄録
タグチメソッドは,S/N比という指標が誤差因子(環境のばらつきなど)に対してロバストなシステムを設計することにおいて有用であることから,さまざまな製品の品質向上に利用されている.この手法では,制御因子(設計因子)に各因子間の交互作用の小さいものを選定する必要がある.この点が手法を正しく適用するために重要となるが,あらかじめ全ての因子間の交互作用を実験的に求めることは現実的に不可能である.さてニューラルネットワーク(ANN)は,コンバインの脱穀部のような非線形な系を記述できるという特徴をもち,さまざまな非線形システムの記述に用いられている.そこで本研究では,交互作用の小さい適切な制御因子を選定するために,ANNを用いてコンバインの脱穀部をモデル化し,因子間の交互作用を明らかにした.適切な因子を選定した後,構築したANNを用いて,制御因子の要因効果を,L18直交表に基づくシミュレーションを行い求めた.得られた制御因子の要因効果はコンバインの脱穀部の設計において有効な指針となることがわかった.これらの結果より,提案するタグチメソッドとANNを組み合わせた設計手法の有用性を示した.