抄録
本稿は,秋,冬,春の 3 期に亘る日本語教育実習のアクションリサーチの報告である。 筆者は日本語のクラスにおける居心地の良さの重要性を理解していなかったため,冬実習で学習者との関係構築、また学習者間の関係構築に課題を残すこととなった。その反省から,学習者とのコミュニケーションの改善を目指して臨んだ春実習では,冬実習の課題を改善することができたと感じた。しかし、学習者間の関係構築を目指すうえで、授業内での教師の働きかけについて課題が残った。そこで本稿では,「居心地の良いクラス」づくりに関して,冬実習と春実習の教案と実際に行った授業を,居心地が良いクラスづくりのための教師の指導行動の観点から検証、分析し、改善策を示す。