国際教養大学専門職大学院グローバル・コミュニケーション実践研究科日本語教育実践領域実習報告論文集
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学習者の発話を促すインターアクションパターンの分析
鈴木 光
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2012 年 3 巻 p. 182-205

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抄録
本稿では、筆者がマレーシア科学大学にて実施した2012年度春学期海外教育実習の授業データを基に、学習者の発話を促すインターアクション・パターンと促さないインターアクション・パターンを分析する。インターアクション・パターンは3種類に分類した。1つ目はIRFパターンにおいて筆者が適切にフォロー・アップを行っていないためインターアクションが展開していない場合である。2つ目は、学習者による先制を生かさずにインターアクション展開の機会を失った場合である。3つ目は、特定の学習者を次の発話者として指名せずに発話機会が失われた場合である。分析の結果、1つ目のパターンでは学習者のニーズとコース目標を考慮し、文法の正確性よりも発話の内容を重視したインターアクションを行うことが改善策として挙げられる。2つ目のパターンの改善策は、筆者の発話量を増やさず、学習者にターンを譲ることである。3つ目のパターンでは、学習者が共通して持っている話題をインターアクション展開のために有効な題材として捉え、学習者を個人指名することにより発話機会を増やすことを改善策として挙げた。
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© 2012 国際教養大学専門職大学院 グローバル・コミュニケーション実践研究科 日本語教育実践領域

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