2018 年 9 巻 p. 117-
本稿は,筆者が参加した日本語教育実習で,プレゼンテーションに向けて行った協働学習について検証したアクションリサーチである。筆者は,学習者間での学び合いを促すため,ファシリテータとして指導することを目指した。本稿では,プレゼンテーションに必要な指導を行えていたのか,また協働学習を促せていたのかを検証した。結果として,学習者のレベルや協働学習に関する経験の把握,活動目的の具体化が不十分であり,活動への介入度の高さや活動の時間設定に問題があったことが明らかとなった。しかし,これらの問題があったにも関わらず,チームティーチングでの指導や授業外での作業を増やしたことで,学習者の発表は予想よりよいものになった。今後一人で指導する際には,レベル差や学習者の人数が多いクラスの場合,今回のように指導するのは困難である。そのため,明らかとなった問題点を改善し,より効果的な協働学習が行えることを目指す。