抄録
これまでインドシナ半島におけるモンスーンオンセット前の対流活動についてほとんど研究されていない. 本研究ではオンセット前の対流活動を客観再解析データより明らかにすることを目的とし, 1998年の事例解析を行った. 半旬平均値データによるオンセット前の周期的な対流活動は日単位のデータでも明瞭に示され, 局地的なものではなくシノプティックスケールによるものと推測される. オンセット前の対流活動が現れるのと同時に中緯度から寒気が南下していた. オンセット直前にも寒気が南下しており, これがオンセットのトリガーであることが示唆される. インドシナ半島に東風が吹き込むと比湿が増加し対流活動も強まっていた. 逆にオンセット付近からは, 西風によって水蒸気がもたらされるようになる. オンセット前の対流活動において, 中緯度からの寒気の南下と東風による水蒸気の増加が重要であることが分かった.