抄録
東アジアは寒帯前線帯が季節的に北上·南下する地域である. 本研究では, 前線帯を表す基礎的データとして日々の地上天気図における各種前線の位置をデータベース化し, 特に停滞性に着目して前線帯の出現及び移動を詳細に調査した. データは1980年∼1999年の20年間の気象庁地上天気図から作成した. 大陸東岸と日本付近における前線の出現率の平均的な季節変化を比較すると, 冬∼春にかけては, 大陸東岸では北緯25度, 日本付近では北緯30度をそれぞれ中心として前線頻度の高い地域が存在していた。しかし前線の停滞性は全く異なり, 大陸東岸では前線の多くが停滞前線であるが, 日本付近ではほとんどが停滞前線以外であった. また, 秋雨期の日本付近には梅雨期と同程度の前線頻度·停滞性を持った前線帯が出現するが, 大陸東岸では前線頻度は低かった.