日本地理学会発表要旨集
2002年度日本地理学会秋季学術大会
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北ベトナムトンキンデルタにおける海岸侵食の評価と影響予測
室岡 瑞恵春山 成子熊谷 洋一
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p. 134

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抄録
東南アジアの各国ではデルタに人口が集中しているが、デルタは自然災害に対して脆弱であるため、トンキンデルタでは2000年前から堤防が設営されており現在でもベトナム全土にある堤防の半分以上がトンキンデルタに集中している。また遅くとも10世紀以降から現在にいたるまで異常な人口密度を維持し続けており、農業の集約性も高い。そのためトンキンデルタにおける自然災害は、農業作物に及ぼす影響が甚大で、同国の経済発展を妨げる主要因のひとつともなっている(1。トンキンデルタにおける海岸浸食は台風、海流など自然環境の影響に加え、マングローブ伐採、土壌採取などの長期にわたる人間活動によるものであり、浸食は海岸部まで農地を拡大しているこの地域で土地の流出、塩分遡上、堤防決壊等を引き起こし、沿岸部住人に損害を与える。わが国においては宇多ら(1997)が全国の海岸を調査、分類した蓄積があるが、トンキンデルタに関しては、海岸線変化とそれによって引き起こされる被害の予測に関する議論はあまりなされていない。そこで本研究では、対象地域における侵食、堆積の特性を明らかにし、侵食による被害の状況をふまえ、今後、侵食に対して危険な地域、侵食による被害可能性の高い地域を予測した。
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© 2002 公益社団法人 日本地理学会
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