抄録
同時に発生した数多くの崩壊, 土石流によって生じた谷の埋積とその後の地形変化を明らかにするために, 1934年に豪雨にともなって上流部で多数の崩壊が発生した石川県の手取川上流を取り上げ, 河床堆積物, 段丘地形の調査·解析を行った. 谷の地形断面から土砂の堆積厚について狭窄部以外では70∼40mと推定した. 埋積後の下刻によって生じた段丘面を4面に区分し, 空中写真の判読, ドロノキの直径から面の段丘化の年代と河川の状態を推定した. 埋積直後の流路は網状を呈していたが, およそ20年後には流路の位置はほぼ固定され, その後は砂防堰堤周辺を除き下刻が継続した. また, 河床高度変化は指数関数的に減少しており, 現在の河床変化は小さい.