日本地理学会発表要旨集
2002年度日本地理学会秋季学術大会
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近代長崎における個人誌の形成と都市の変容
山根 拓
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p. 45

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抄録
本研究は, 19世紀後半以降に展開した近代日本の地域形成過程を, 構造化理論に依拠した「人間主体—社会構造」の相互依存的枠組を通じて説明しようとした, 歴史地理学的な試みである。特に人間主体の地域形成への関与の問題は, 従来の歴史地誌学的な実証研究において十分に検討されてきたとは言い難い。そこで, 本研究ではプレッドが以前にボストンの事例研究で用いた個人誌的アプローチを援用し, 近代期の港湾都市·長崎の地域形成を, 同時期に当地で活躍した人物の個人誌形成と重ね合わせて理解することを目指した。複数の重要人物の人生と空間的履歴が把握され, 長崎の地域形成史と比較された。その中で, 人間主体の行為が同時期の地域の構造の影響を受ける一方, 行為の経験が人間主体の実践を通じて地域の構造に影響を与えるという, 構造の二重性を確認した。
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© 2002 公益社団法人 日本地理学会
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