抄録
本研究では、東京首都圏の下総台地北西部において、面的に広がる土地利用からの物質負荷を明らかにするため、土地利用変化→湧水水質変化に関して検討した。調査地域で湧水を採水し、水温·EC·pHとアルカリ度、主要無機イオン濃度、SiO2濃度を測定した。また各湧水の帯水層の判断を行うとともに湧水地点の標高、台地面との比高を測定した。さらに各湧水に関して過去の地形図から地形的分水界を設定し、国土地理院(1994)発行の細密数値情報(10mメッシュ土地利用)を用いて集水域土地利用を解析した。結果、湧水の地層中での通過経路·滞留時間の違いが湧水水質に少なからず影響を与えていることが示唆された。また、地質·土地利用類型と水質グループとが対応していることが示された。今後は地質などにより付与される基本的な水質と人為活動起源の物質負荷との分離を考えていく予定である。