日本地理学会発表要旨集
2002年度日本地理学会秋季学術大会
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東京の内部地域における土地利用の歴史的変化—神楽坂地区を事例として—
牛垣 雄矢
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p. 81

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抄録
神楽坂地区は、江戸城の外堀の外側に位置し、江戸城建設の後期において市街化されたために非計画的で不規則な土地割りが形成され、土地利用の高度化や都心的機能の高度集積が遅れていた。江戸期は場末の地区であり、明治中期以降も郊外の施設を対象とした料亭街や日常品店から形成されていた。高度経済成長期以降の料亭の衰退で神楽坂地区も活気を失うが、近年、飯田橋駅が結節性を強めたことも影響し、土地利用の高度化や都心的機能への変質が、戦前には地域実力者の土地所有地であった飯田橋駅に近い地区で過去の建物配置に影響されて進行している。その反面、個人経営の飲食店の集積による歓楽街的な性格や、表通りの商店街や料亭街では過去の建物位置をそのまま継承している側面がある。
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© 2002 公益社団法人 日本地理学会
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