日本地理学会発表要旨集
2002年度日本地理学会秋季学術大会
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東京·本郷地区における下宿·旅館街の形成と岐阜県西濃地域出身者
松山 薫
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p. 82

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抄録

本郷地区は東京大学をはじめとする各種の教育機関に隣接するため, 東京において, 下宿·旅館業が最も集中する地区であった. その中でも, 本研究では特に岐阜県西濃地域出身者の下宿·旅館経営者に焦点をあて, 彼らの連鎖移住が本郷の下宿·旅館街形成に大きな役割を果たしたことを明らかにした. すなわち, 明治中期から大正初期に上京してきた先駆的な岐阜県西濃地域出身者が, 下宿屋を開業して成功すると, 次々親類や同郷人を東京に呼び寄せて下宿業を開業させていった. 彼らの間の相互扶助機能は同郷人の下宿·旅館業経営の安定に寄与し, 同業者組合において重要な地位を占め, また議員活動も行うなど, 地域社会でも大きな役割を果たした.

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© 2002 公益社団法人 日本地理学会
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