日本地理学会発表要旨集
2002年度日本地理学会秋季学術大会
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沖縄県城辺町におけるサトウキビ農業の地域的展開
高橋 直紀
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p. 90

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抄録

問題の所在と研究目的沖縄県宮古島は, サンゴ礁が隆起して形成された島で, 透水性の非常に高い島尻マージと呼ばれる琉球石灰岩土壌からなる。この土壌は一般に土層が浅いため, ほぼ毎年のように旱魃の影響を受けてきた。旱魃を解消することは宮古島農業の課題であったので, 水を確保するため, 地下の鐘乳洞部分を堰き止めて水を貯水する地下ダムが建設された。現在, 地下ダムの用水は末端の潅漑施設を通じて, 定期的に畑地に散水されている。ところが, 地下ダムの末端の灌漑施設(スプリンクラー)は, その整備状況において, 島内の市町村ならびに町内の集落ごとに地域差が存在する。本発表では, この整備があまり進んでいない城辺町に着目し, 灌漑施設(スプリンクラー)の整備状況において, 集落間で地域差の発生した要因を明らかにするとともに, 灌漑施設整備の状況が, サトウキビの収量の変化にどのように影響を及ぼしているかを明らかにすることを目的とする。

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© 2002 公益社団法人 日本地理学会
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