日本地理学会発表要旨集
2004年度日本地理学会秋季学術大会
会議情報

高等学校におけるGIS活用の現状と課題
*小林 岳人
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 73

詳細
抄録
1. はじめにIT機器の活用は、地理学習において科目の特性上、極めて有効であり、特に学習に不可欠な地図はGIS等の進展によって自在に扱えるようになってきた。しかし、これらに関する地理学習への提言の多くは、大学の研究者や開発企業からのものが多い。そこで、高等学校の現場からの発想、視点で話をしていきたい。2. GIS利活用の際の問題点 1990年代には高等学校地理教科書にもGISという言葉がよくみられるようになってきた。しかし、GISソフトや地図データは極めて高価であり、またハード面への要求スペックも高いため、普及しつつあったPC程度での利用困難であった。そこで、筆者は汎用表計算ソフトウエアを利用したGIS的な学習教材を開発し授業実践(小林、2003a)した。公教育の場面では汎用的な表計算ソフトウエアの操作方法にならったほうが、情報リテラシーという面を含めて教育的である。近年は、PCのスペックも上がり、また低価格のGISソフトウエアも登場してきているが、これとは別にPC室が環境復元・アカウント管理等の導入によりシステム化がされソフトの追加インストールが困難となっているが表計算ソフト利用であればこの問題もクリアできる。3. GIS普及のための方策GIS教育といっても特別なことをするわけではなく、現状の地理教育の中での置き換えという感覚で進めていけばよい。この過程でもGISの持つ付加価値(地図の精緻化・見易さ・カスタマイズ、大量データの扱い、印刷・投影・Web等多方面への利用)が十分に生み出される。例えば、従来から行われている白地図作業もより進展し、コンピュータを使わないGIS教育としてとらえることもできよう(小林,2003b)。また、前述のように汎用表計算ソフト利用によって、情報の授業でも実践可能である。地図が備えている極めて優れた情報の処理分析能力が地理教育以外の面も発揮できる。地理と情報のクロスカリキュラムとしての効果も期待できよう(小林,2004)。4. おわりに「地図を自在に扱って地理の授業を行う」これは、地理教育に携わる者なら誰でも夢見たことだろう。そしてこの夢を実現した道具はまた地理教育の有用性を他科目、他教科、社会全体へアピールするための大きな力となるはずだ。【文献】小林岳人(2003a)地理教育における表計算ソフトを利用したGIS的学習教材の開発と実践,「地理情報システム学会講演論文集」,12,pp189-192.小林岳人(2003b):授業をわかりやすくするためにはどうしたらよいか _-_地理的技能を身につけるための地図教材_-_,千葉県高等学校教育研究会秋季研究大会発表要旨小林岳人(2004)表計算ソフトを使った地図作成 _から_教育における利用_から_,日本国際地図学会定期大会発表要旨詳細は以下のサイトにあります。ご覧ください。http://homepage2.nifty.com/taketo-kobayashi/
  Fullsize Image
著者関連情報
© 2004 公益社団法人 日本地理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top