日本地理学会発表要旨集
2005年度日本地理学会秋季学術大会
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高度経済成長期の茨城県石下町国生におけるヤマと暮らしの変化
_-_景観・利用・感覚を指標とした地域変化の検討_-_
*湯澤 規子井口 梓渡部 圭一
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p. 51

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抄録

_I_ はじめに1.問題の所在・関東平野の平地林「ヤマ」・変化の実態を多面的に捉える 景観と利用 +α:感覚→高度経済成長期における変化2.研究方法・長塚節の小説『土』における風景および暮らしの描写・『土』の舞台(現茨城県石下町国生)における調査 聞き取り調査、土地利用調査など3.小説『土』とその舞台・長塚節(明治12年_から_大正4年)唯一の長編小説 [東京朝日新聞掲載:明治43年3月_から_11月]・石下町国生概況:明治24年/戸数63戸、人口498人_II_  ヤマの原風景_-_復原的検討_-_1.『土』にみる自然描写とヤマ・景観:【図1】・利用:落葉さらい、麁朶集め、青草刈りなど・音と色_-_五感を通したヤマ:ヤマ仕事の季節性              西風「オーニシカゼ」2.ヤマの復元的検討【図2】・ヤマの偏在状況:位置、所有者「デージンドン」・ヤマの境界標示:所有と利用の境は緩やか・ヤマの分類と作業:樹種による違い・落ち葉の使途:燃料、「コヤシボッチ」・生活・経済の指標:戸主の責任と「ヨメムコウ」_III_ ヤマの変化の多面性_-_景観・利用・感覚を指標として_-_1.土地利用景観からみた国生の変化 明治前期→大正5年→昭和28年→昭和49年→平成9年             大きな変化2.ヤマ利用の変化 工場の立地、燃料革命、農業技術の変化3.ヤマの変化と変わり目感覚 ヤマの激減とその実感「こだまが返らない」、「昔のほうが風が吹いた」  _IV_ むすびにかえて・『土』におけるヤマに対する詳細な描写 →ヤマとの関わり方に関係・高度経済成長期と暮らしの変化の捉え方・『土』の再評価、読み直しへの注目

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