抄録
本研究は,都市化により気圧がどのように変化するのかを調べるために行った.大都市ほど明瞭な都市化の特徴が出ると考え,東京を研究対象とした.移動時間をできるだけ短縮するために高速道路を利用した.そして,海からの距離が東京都心と同程度にあり,典型的な郊外が見られる佐倉をルートの端に選んだ.2005年から翌年の夜間において20回以上の移動観測を行った.1回の観測の総走行距離は約130 km、所要時間は2時間弱であった.自動車にはSAT,デジタル気圧計そしてGPSレシーバーを搭載した.観測結果から得られた気温分布を見るとヒートアイランドが認められたが,気圧分布を概観すると都市と郊外の気圧の差異は認められない.ただし,正確な海面更正(高度補正)を実施しないと気温差に対応した気圧差があるか否かは即断できない.