日本地理学会発表要旨集
2008年度日本地理学会秋季学術大会・2008年度東北地理学会秋季学術大会
セッションID: P704
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地球温暖化に伴う気温年較差の変化
*福岡 義隆
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抄録

慣習的な気温の年較差は、月平均気温で定義されている。すなわち、平均気温の月最高と月最低の差で表している。 しかし筆者は、この慣習的定義は気温の実際の年較差を表していないと考える。実際の最適気温はもっと低く、最高気温はもっと高いので、実際に体感する気温の年較差は、慣習的な気温の年較差よりもさらに大きい。 そこで筆者は、その慣習的年較差(X)の代わりに、より現実的な気温年較差(Y)を提唱したい。 Yは日最高最低気温の月平均値の年最高最低の差である。これだと統計解析の結果、Y=1.3701Xとなり、新しくより現実な気温年較差は、気候区によりばらつきはあるものの、従来の年較差よりも1.3ないし1.4倍であることがわかった。 ここで用いた気候データは、世界各地の観測値に基づいているものである。 この新しい定義は、地球温暖化時代に適した表現であると考えている。 また、地球温暖化によってこの気温の年較差が気候区ごとにどのように差が出ているのかについても検証したい。

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© 2008 公益社団法人 日本地理学会
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