日本地理学会発表要旨集
2008年度日本地理学会秋季学術大会・2008年度東北地理学会秋季学術大会
セッションID: P719
会議情報

岩手・宮城内陸地震による斜面崩壊の地形・地質的特徴
*守屋 則孝須貝 俊彦
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

2008年6月14日に岩手県内陸部を震央とする最大震度6強(M7.2、深さ約8km)の岩手・宮城内陸地震が発生した。被災地周辺では土砂災害が多数発生しており、中でも荒砥沢ダム上流で発生した地すべりは長さ約1000m、幅約700m、最大の深さ約150m、移動土砂量約70000000㎥と、山体崩壊を含めても国内では今世紀最大規模のものであった。筆者は6月21日、22日に宮城県栗原市北西部の花山湖、栗駒ダム周辺、岩手県一関市西部で調査を行い、その結果、調査を行った地域では節理の発達した溶結凝灰岩などで構成された比較的急傾斜な斜面での崩壊が多いという傾向が見られた。また、現在は国土地理院で公開されている地震発生翌日(6月15日)に撮影された空中写真を判読中であるが、地すべり地形や崖の位置と崩壊地の位置がよく対応しているという傾向も見られている。今後も現地調査や空中写真判読を継続していく予定であるため、最終的な結果については当日のポスターにて発表したいと考えている。空中写真判読については、上記の地震発生翌日のものだけでなく1987年、1948 年に撮影されたものについても判読を行い、その地形変化を時系列で確認したいと考えている。

著者関連情報
© 2008 公益社団法人 日本地理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top