抄録
【はじめに】
2008年6月14日に発生した岩手・宮城内陸地震(Mj 7.2)の震源域である岩手県一関市および宮城県栗原市において,地表地震断層の有無を確かめるために,地震発生直後から何日かに分けて地表調査を実施した.その結果,地変は,震源付近で大きなすべりが求められた領域に対応するように,真打川左岸にあたる一関市餅転(もちころばし)付近から,磐井川両岸の同市本寺付近を通過し,同市落合南方付近までの南北約10 kmの区間,大局的にみて餅転-細倉構造線(片山・梅沢,1958)に沿って出現したとみられる(図1,2).